中学受験算数における、直角三角形の辺の長さについて ~三平方の定理~
「えっ、三平方の定理って小学生でもならうの?!💦」
中学受験の話をすると、大体驚かれます。
結論を言うと、習いません。
習うとしても、塾で先生が予備知識として話す程度。
ですので、例えば開成中など、記述式で算数の問題が出される学校で、
「三平方の定理より」
などという言葉を使うと、減点される可能性があるということです。
しかし、難関校を志望する受験生さんなら、三平方の定理という名前は知らずとも、どういうものか聞いたことがある人もいると思います。
三平方の定理って?
まだ聞いたことがない小学生さん向けに説明すると、
c × c = a × a + b × b
つまり、直角三角形において、斜辺の長さを二回かけた数は、ほかの辺を2回かけた数の和と等しい、ということです。
この三平方の定理の導き方は、中学受験の問題として出てくることがあります。
三平方の定理の導き方(小学生向け)
この図は、基本形の直角三角形を4つ並べたものです。
- 外の四角形は、一辺の長さが(a+b)で等しい
- △ABCが直角二等辺三角形であるため、外の四角形の内角はすべて90°
以上より、まず外の四角形が正方形であるとわかります。
また、
- 中の四角形は、一辺の長さがcで等しい
- × + 〇 = 90°(三角形の内角180°-直角90°=90°より)なので、中の三角形のすべての角は90°
これらより、以下の式が成り立ちます。
( a + b ) × ( a + b ) = 4 × 1/2 × a × b + c × c ・・・①
a × ( a + b ) + b × ( a + b ) = 2 × a × b + c × c ・・・②
a × a + b × b + a × b + a × b = 2 × a × b + c × c ・・・③
a × a + b × b = c × c ・・・④
①は、左辺が外の正方形の面積、右辺が4つの直角三角形の面積とと中の正方形の面積を表しており、両辺の大きさは等しい、ということを表しています。
②の式は、①の式の左辺を分配法則を用いて整理しようとしています。
③の式は、②の結果で、a×b+a×bと2×a×bは等しいことに注意してください。
③の式の両辺からa×b+a×bと2×a×bを引くと、三平方の定理が出てきます。
以上が、三平方の定理の求め方で、この手順は最低限理解しておくといいと思います。
中学受験範囲では、三平方の定理を使わせる問題には、「導入」が必要となります。
問題文に三平方の定理が記述してあり、それを利用してもいい、とされる場合、
また先ほどのような三平方の定理を求める手順を(1)、(2)などで導入問題として組み込み、それを利用して解け、とされる場合があります。
これは覚えよう!
有名な直角三角形の辺の比として、
- 3:4:5
- 5:12:13
- 8:15:17
- 7:24:25
この辺は中学受験でもよく出てきます。
優先度としては、3:4:5(絶対覚えよう)>5:12:13(覚えよう)>8:15:17、7:24:25(何回か出てくる。見覚えがある程度でよい)
三平方の定理を使えばこれらの三角形が直角三角形であることもわかると思います。
いかがだったでしょうか。今回は、中学受験算数における、三平方の定理についてお話ししました。
このブログの中の人は、中学受験を全勝で終えた中学三年生です。これからもこのような記事を更新しようと思ってます!